離婚時の年金分割手続き

さて次は離婚にまつわる年金の話です。制度としては平成19年から「合意分割制度」、平成20年から「3号分割制度」が始まっており、これらは離婚時の年金分割に関して、夫婦間の年金額を決められた割合で分割する制度です。

 

分割対象は厚生年金部分だけです。国民年金部分は対象外です。制度が始まってかなり経過しているので、次第に定着しつつありますが、手続きがわからないという人も多いようです。

 

年金の分割には、まずは年金分割に関する情報が入った「年金分割のための情報提供通知書」を入手します。これは、年金事務所で書類(年金分割のための情報提供請求書)を提出すれば入手できます。請求して手元にくるまで3~4週間くらいかかります。

 

離婚前なら、請求者本人にだけ通知書が送られますが、離婚後なら請求者本人と元配偶者の両方に送られます。郵送が原則ですが、離婚前に配偶者に年金分割の準備について知られたくない場合は、年金事務所窓口での受取り、送付先の住所指定もできます。

 

この請求にあたっては、請求者の本人確認書類、年金手帳、婚姻期間を確認できる書類(戸籍謄本、当事者それぞれの戸籍抄本)が必要です。

 

さて、按分割合を決めなければなりません。その決定方法ですが、双方の話し合い、家庭裁判所の調停、審判、裁判という方法があります。双方で話し合いをするなら、情報提供通知書に記載された按分割合の範囲内で決定することになります。家庭裁判所での調停、審判、裁判は判決での決定です。この按分割合いかんで、将来の年金額が決まるのでかなり重要です。